箱崎の方角

2013.9.13最終修正

 箱崎(福岡市東区)あたりでは、東西南北の指す方向が通常のものとはちがっていることが多い。ちがい方はでたらめではなく、北のことを東、西のことを北と呼ぶ。おそらく、本来の北を箱崎では東、本来の西を箱崎では北、本来の南を箱崎では西、本来の東を箱崎では南と、90度ちがっているようである。ここではかりに『箱崎方位』と呼ぶことにする。

実例

  1. 東箱崎小学校と箱崎小学校 東箱崎小学校は箱崎小学校のほぼ真北にある。
  2. 九州大学の北門 箱崎キャンパスで一番西にある。これより北に複数の門がある。
  3. 九州大学の西門 この門から見て北門はほぼ北北西の方角にある。
  4. 東吉塚小学校と吉塚小学校 東吉塚小学校は吉塚小学校のほぼ真北にある。
  5. 箱崎ふ頭東側交差点は、箱崎ふ頭西側交差点のほぼ北北東にある。
  6. 流通センター通り(国道201号)を、箱崎ふ頭中央交差点から流通センター方向へはほぼ東南東[福岡インターまで考えればほぼ東]の方向である。道路交通情報では「南行」と呼ばれている。

雑記

 九州北部で方位が90度ちがっているといえば、いわゆる邪馬台国の所在地における近畿説を連想させる。だが、両者の関連を指定した研究はないと思われる。

変化

 現地で昔から使われていた地名と非地元企業や行政機関などがつける名称の関係ということではよくあることだと思うが、ここ数年の間に新しく付けられた名称には通常の方角が多く、箱崎方位は失われつつあるような気がする。たとえば、JR箱崎駅が移転した後の、新しい駅の東側(箱崎方位でなく通常の方位)の交差点は、JR箱崎駅東口である。